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15.06.2009
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子どもたちは夜と遊ぶ
Theme:ブックレビュー / Genre:小説・文学
 「子どもたちは夜と遊ぶ」 辻村深月

 心に残る本です
 読み終えて三ヶ月経ってなほ、ひょんなことから登場人物のことを思い出してはぐっと泣きそうになってしまう
 ずるずる引きずる本です  もう、どうやったって忘れられない
 
 浅葱くんがどうしようもなく切ないんです
 辛い過去を引きずり、やがて彼は後ろ暗い犯罪に手を染めていきます
 次々と凄惨な事件を起こしていく浅葱くんの後ろ姿を、私たち読者は、先の展開がまったく読めないままに追い続ける
 その間に挟まる哀しすぎる浅葱くんの過去に、何度か読むのをやめようかとさえ思いました  やるせない  本当にやるせない

 彼は月子ちゃんに恋をします 人に触れることをどうしようもなく恐れる彼が、手を握られても快いと思えるほど、彼は月子ちゃんに恋をします
 でも、彼女の傍にはいつも狐塚がいる
 俺のことを好きになる女の方が多い。でも、狐塚を好む女の方が遙かに趣味が良い
 …だから月子は俺には振り向かない
 もうどうしようもない、「痛い」切なさが私たちの心のすぐ傍で息づいていて、きりきり胸が軋んでしまう

 月子ちゃんの気持ちもどうしようもなく切ない
 浅葱くんのこと大好きなのに、誰のせいでもない思い違いのせいで、両思いが崩れていく  狐塚くんは月子ちゃんのお兄さんです

 クリスマスの日、二人っきりで肩を並べて歩いた時の、胸がきゅっと甘くなる思いが素敵です
 浅葱の隣を歩く時、ものすごく緊張した  だなんて
 プライドを傷つけられても、平然と大人の対応で受け流す浅葱を彼女は見ています
 気持ちを落ち着かせるためにゴミ箱を誰も見ていないところで蹴ってなお、しばらく時間を置かないといつもの平静を取り戻せない、弱くて格好悪くて、そんな彼がすごく好きで
 どうして両思いだったのに、…こんなにお互いのこと大好きだったのに、うまくいかなかったんだろう
 
 …君は幸せにならなくちゃいけない
  君が笑っているところを想像するだけで生きる勇気がわいてくる奴がいることを忘れ  ないで

 どうして彼はこんなことを言って去っていかなくちゃならないんだろう。
 どうしてあんなことをして、あんな目に遭っちゃったんだろう
  
読み終わった時、ちょっと辻村深月さんのことを恨みました
 こんなに可哀想にしてやらなくたっていいじゃない、どうしてこんなに、どうしてこんなに二人はひどい目に遭うんだろうって

 でも、忘れられない本です  他の登場人物もそれぞれやんごとなき事情と気持ちを抱えてます(紹介したいけどすごく長くなっちゃうので割愛)
 なんというか、凄惨な事件の後、わずかに残された光のようなものを手繰って、なんとかそれぞれの登場人物が立ち上がれそうな余韻を残しているのが心憎い
 いっそ真っ暗闇だったら、絶望して終われたのになー、なんて
 これから、この事件のことを消化しきれないまま、なんとかみんなが歩いていこうとします
 そこにほっとして、心の底から応援してしまうからこそ、この小説はどうしようもなく切ないんだと思います
 辻村深月さんは、すごい人です  本当に、本当に忘れられない本
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藍色
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06.12.2009 / URL [ EDIT
   


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